殿堂馬 アンプレヴー 牝
トワイニング フォーティーナイナー Mr. Prospector
File
Courtly Dee Never Bend
Tulle
マイワイルドフラワー Topsider Northern Dancer
Drumtop
Wildwook Sir Gaylord
Blue Canoe
【戦績】13戦1勝(1−0−1−11) 【現役期間】08/07/26〜11/05/14
【募集価格】2000万円 【獲得賞金】1064万円
【毛色】栗毛  【生年月日】2006年2月8日 【厩舎】藤原英・栗田徹  戦績はこちら
出資馬で初めてレースで勝った、記念すべき馬がアンプレヴーです。
同じキャロットクラブのGT馬ブルーメンブラットの半妹という血統馬でしたが、
募集時期にはGTを勝っておらず父がトワイニングと地味な為、それほど注目は高くなかったと思います
1歳時最初の近況更新が放馬による外傷の手術という波乱万丈の育成でした。
ただ手術後の経過は極めて良好で、小柄な牝馬という事もあって仕上がりが早く2歳の夏にデビューできました。
08年7月26日の小倉競馬(2歳新馬 芝1200m)でのデビューが決まりました。 仕上がりの早いアンプレヴーに対し新聞紙上では厚い印が並んでおり2番人気に支持されました。 一つ前の世代からキャロットクラブに入会し出資しましたが、初出資の世代は6頭出資し6頭が未勝利のまま引退していました。 アンプレヴーによる出資馬初勝利の期待が自ずと高まっていましたね。 そして緊張のレースが始まります。12頭立ての12番枠、少頭数とはいえ短距離戦ではあまり歓迎されない一番外の枠でした。 しかし抜群のスタートを切ったアンプレヴーは、スッと5番手あたりの位置取りにつけていきました。
スタート直後はスプリント戦ということもあり、やや追走を苦にするようなところがありましたが、流れに乗ってからスムーズについて行けました。 そして3コーナー手前あたりで鞍上の上村騎手が軽く気合をつけました。するとアンプレヴーはそのゴーサインに鋭く反応し、外から勢い良く上がっていきます。 今まで未勝利に終わってきた出資馬とは、この仕掛けてからの反応が全然違いましたね。 この3コーナーからの仕掛けに対する反応と一気に前を捉える脚を見て、始めて出資馬の初勝利が現実になるのではないかと思いました。 4コーナーに入っても脚色に陰りはなく、鞍上が抑えるくらいの勢いで先頭に並びかけて行きます。
そして最後の直線、4頭並んだ一番外を走っていた事もあり少し外へ膨らんでしまいましたが、手応えにはまだまだ余裕があります。 上村騎手の左ムチに応えて力強く伸び、前を行く馬を交わし先頭に立ちました。 外から差しに徹した2着馬が勢いよく追い込んできましたが、 早めに仕掛けたわりに直線半ばを過ぎてもしっかり伸びてゴールに飛び込みます。 2着馬に1馬身1/4の差をつけ、ついに出資馬が初めて先頭でゴール板を通過しました! ゴールした瞬間の現実とは思えないほどの驚きを今でもハッキリと覚えています。
2歳の7月という時期に勝ち上がった事から、2歳戦での活躍や暮れの2歳GTへの出走に希望が湧いてきます。 しかしレース後に激しい発汗による脱水症状を起こし、熱中症に陥ってしまい休養を余儀なくされます。 ソエが出た影響もあり軽い調整のまま挑んだ2戦目のりんどう賞は11着。 ゲート再審査を受けた事もあり再び休養に入り、2歳シーズンは消化不良の形で終わってしまいました。 ソエと腰に弱さが出て復帰できたのは3歳の5月。初ダートでしたが中団からよく差して3着に好走。 1,2着馬からは離されましたが2勝目も近いと思われました。
しかしこの3戦目のダート戦が馬券対象に入る最後の競馬になりました。 その後はダートの中距離や再び芝1200mを走るなどしましたが、成績は伴いません。 特に6戦目の新潟競馬ではレース後に肺からの鼻出血を起こしてしまいました。 8、9戦目のダート短距離戦では掲示板に載る5,4着と好走してくれましたね。 出走機会の関係から12戦目より新規開業の栗田徹厩舎へ転厩するものの、転厩2走目の13戦目のレース後に再び鼻出血を発症し引退が発表されました。 早熟血統だっただけに2歳戦から3歳前半の時期に順調に使えなかった事が悔やまれますね。
アンプレヴーの初めての勝ち星は、出資馬の中でも特別な1勝になっています。
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